補習校に通わせるかどうか、海外で子育てをしている方なら、1度くらいは考えたことがあるのではないでしょうか?
こんにちは!ロンドン在住のみしゃくです。
我が家の子どもたちも、毎週土曜日に、補習校で日本語を学んでいます。
でも、補習校の授業についていけるのか、保護者にはどのような負担がかかるのか、補習校に行けば日本語ができるようになるのかなどなど、いろいろ気になりますよね。
そこで今回は、海外で日本語教育をする保護者の目線で、「補習校」をレポートしたいと思います。
国や校舎によって事情は異なるので、あくまでもいち保護者の感想という感じですが、迷っている方の参考になればうれしいです♪
子どもに教えたいのは国語?継承語としての日本語?
海外で子どもの日本語教育をするとき、まずは国語として日本語を教えたいのか、それとも、継承語として日本語を教えたいのか、日本語教育の目的やゴールを考えてみることをおすすめします。
補習校で行われているのは、文科省のカリキュラムに沿った国語教育です。
つまり、日本の小学生が、日本の小学校で習う内容を習います。
日本の小学生が1週間かけて学ぶ内容を、補習校では半日で詰め込まなければなりません。
そのため、けっこうなスピードで進んでいきます(^^;)
一方、継承語とは、親から受け継いだ言葉を指します。
簡単に言うと、外国語として日本語を学ぶイメージです。
「日本の両親と日常会話ができれば十分」という感じであれば、補習校での勉強はあまり効果的ではないかもしれません。
とはいえ、補習校には、国語学習以外にもメリットがあるのも見逃せないポイントです。
つづいては、補習校のメリット・デメリット(←あくまでも私感ですが)をまとめていきます。
補習校のメリット・デメリット
子どもを補習校に通わせるメリット・デメリットは、つぎの通りです。
それぞれ、少しずつ補足していきますね。
メリット
国語教育以外の補習校のメリットといえば、やはり日本の学校の疑似体験。そして、自分と同じように、多言語・多文化なバックグラウンドを持つ友だちとの交流だと思います。
また、日本人ママ・パパさんと日本語でおしゃべりしたり、バザーでおいしい日本食が買えるという、保護者としてのメリットも(^^)
デメリット
逆に、補習校のデメリットとしてすぐに頭に浮かぶのは、宿題が大変なことと、土曜日が潰れてしまうことです。
とくに、土曜日はほかの習い事とバッティング(←うちもこれで、2歳から続けていたバレエを断念)したり、バースデーパーティーや家族との時間が犠牲になるため、ちょっと覚悟が必要だと思います。
補習校の宿題はどんな感じ?
さきほど補習校のデメリットで挙げた「宿題」ですが、具体的にどんな内容なのかを少しだけお見せしますね。
基本的に、下記のような定番の宿題+たまにエクストラで追加の宿題が出されます。
- 国語の教科書の音読(毎日)
- 漢字の練習(毎週、授業で漢字テストあり)
- 作文(絵日記だったり、詞を書いたり、お題は毎週異なります)
- 補助教材の問題を解く(「国語の学習」という補助教材を使っています)
毎週の漢字テストのほかに、うちの子が通う校舎では、学期に2回ほど全校生徒で挑戦する「一斉漢字テスト」なるものがあります。
そんなに量が多いというわけではないのですが、現地校の勉強や習い事と合わせると、なかなか大変で…
我が家では、毎週金曜日が修羅場です。
うちは私がLazyなので、「宿題大変!」となっていますが、毎日少しずつできる方なら、そんなに負担ではないかもしれません。
補習校の入学試験の内容は?
つづいては、心配している方も多いかと思われる、補習校の入学試験について少し。
私自身も、長女が入学する前は不安で、先輩ママさんに質問しまくっていました(^^;)
入学試験(面談)の内容は、校舎やその年によって異なりますが(コロナで面談がなかった年もあります)、うちの子達が通う校舎では、下記のような質問が出題されました。
- 自分の名前(フルネーム)を答える
- 自分の名前を日本語で書く(ひらがなでOK)
- 「朝ごはんは何を食べましたか?」「好きな果物は何ですか?」「今日は、誰と来ましたか?」といった、簡単な質問に答える
- 「さんかくを描いてください」「しかくを描いてください」「まるを描いてください」と言われて、図形を紙に描く
ただ、上記の質問に、すべて正確に答えなければならない、というわけでもないようです。
「さんかくを描いて」と言われて、ひらがなで「さんかく」と書いたという子や、はりきって知っている漢字を交えて自分の名前を書いたけど間違っていた、という子も、無事に合格しています(^^)
完璧でなくても、ひらがなの読み書きが一通りできること。そして、先生の質問の意味がわかることが、合格のポイントだと思われます。
補習校の面談で落ちることはある?
さて、補習校の入試に落ちることがあるのかどうかですが、残念ながら、実際に不合格だった子を知っています。
ただし、入学までにひらがなを覚えること、というような内容の誓約書にサインすることで、条件付き入学が許可されたというケースもよく耳にします。
また、入学説明会(保護者のみ)への出席が絶対条件かつ、入学面談の日程は変更不可なので、入学予定の年の1月後半〜2月半ばくらいまでの土曜日は、予定を開けておくと安心です。
説明会や面談のスケジュールは、12月初旬に補習校の公式サイトで発表されます。
私は、長女の面談日と、甥っ子の洗礼式に出席するための旅行がかぶってしまいました(><)
事情を説明して日程変更をお願いしましたが、「前例がないので」と却下。
甥っ子の洗礼式は欠席しました…。
保護者のボランティア活動って何するの?
子どもを補習校に通わせるかどうか、迷っている方の理由のひとつに、保護者のボランティア活動があるのではないでしょうか?
うちは、完全に私のワンオペ家庭なので、お当番のときに下の子をどうしよう…!というのが、大きな悩みでした。
→結局、2年間、下の子を連れて、ボランティア活動をこなしました(^^;)
これも、校舎によって異なると思うのですが、うちの子どもたちが通うロンドンの某校舎では、すべての保護者がつぎのような活動に参加することになっています。
- 学級委員長(クラスごとに2人)
- クラス補助の当番(学期に1回ほど。授業や休み時間の補助。)
- イベント当番(1年に1回。運動会や古本セールなどの年間行事のお手伝い。)
- 図書係り(図書の貸出・返却のお手伝い。←うちの校舎では、いまのところボランティアで立候補した図書係だけで回っているようです。)
そういえば、コロナの頃には、トイレ当番(子どもの手洗い消毒などをチェック)という臨時当番もありました。
というわけで、補習校のボランティア活動に参加する頻度としては、1学期に1回クラス補助、1年に1回イベント補助。
私は図書係に立候補しているので、上記に加え、1学期に1回図書係という感じです。
校舎によっては、駐車場係などの当番もあります。
うちの場合は、「下の子をどうするか」という問題があったので、ちょっとストレスでした。
でも、それがなければ、さほど大変でもない気がします。1回当番をすれば、しばらくは忘れていられるので(^^)
最後に
今回は、海外で子どもの日本語教育をする手段のひとつである「補習校」について、私自身の体験や感想をもとにお伝えしてきました。
はじめに説明したとおり、補習校では、日本の国語教育と同じカリキュラムで進んでいきます。
それについていくのは、思っている以上に大変です。
しかし、我が家のように、「もう無理〜!」「国語じゃなくて、日本語として学んだほうがいいのかも…」と思いながらも、補習校に通うメリットの方が大きいと判断し、なんとか踏ん張っている家庭もあります。
うちの子の場合、「補習校の友だちと遊びたい!」というのが一番の理由のようです。
海外での子どもの日本語教育は、補修校だけではありませんし、補習校に通わせれば、日本語ができるようになるというわけでもありません。
補習校に通わせるかどうか迷っている方は、各家庭の日本語教育のゴールや優先順位、メリット・デメリットを検討してみることをおすすめします。
コメント