海外在住フリーランスも源泉徴収?!知らなきゃ損する租税条約とは?

海外フリーランス生活

こんにちは。ロンドン在住のWebライター、みしゃくです。

最近は、海外在住で日本からの収入を得るWebライターさんなど、フリーランスで活躍する方が増えているようですね。

という私も、そのひとりなのですが。(活躍はしてませんが…)
だって、ネット環境さえあれば、世界中どこでも仕事ができるのがWebライターの魅力ですから!

でも…知ってました?
海外在住でも源泉徴収されることがあるんです。しかも、税率は20.42%!

高い!クラウドワークスやランサーズの手数料より高いじゃないですかー?!

と、ショックを受けているあなたに朗報です。

『租税条約に関する届け出』という手続きをするだけで、減税、もしくは、全額免税になります!!!

私は、そんな手続きがあると知らずに、1年以上源泉徴収され続けていまして、最近やっと手続きが完了したところです。

租税条約の書類を準備していたとき、なかなかこれ!という情報が見つからず、まさに手探り状態で苦労しました。届出の記入方法なんて、特に。

そこで、少しでも私と同じような海外在住ライターさんやフリーランスの方のお役に立てればと思い、私自身の経験や今回集めた情報をシェアしたいと思います。

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『租税条約に関する届け出』で減税・免税!

『日本に住民票もないのに…それでも税金払わなきゃいけないの?』

と、疑問に思い調べたところ、

報酬が日本国内で発生した場合、報酬を支払う側(クライアント)には、報酬を受け取る外国法人、もしくは、非居住者から所得税・復興特別所得税(20.42%)を源泉徴収して納税する義務があるそうです。

つまり、源泉徴収しないと、監査のときにクライアントが困るわけですね。

しかし、この20.42%の源泉徴収は、『租税条約に関する届出書』という書類をクライアント経由で管轄の税務署に提出することで減税・免税になります。
提出期日は、最初の報酬が支払われる前日です。

クライアントによっては源泉徴収をしないこともありますが、その場合は特に手続きをする必要はないので、居住国での収入申告のみでOK。

イギリスと日本は日英租税条約を結んでいまして、Webライターの場合、なんと100%免税!

20.42%はかなり大きいぞ!ということで、早速クライアントに租税条約の手続きをしたい旨を連絡し、書類の準備をスタートさせたのでした。

租税条約ってなに?

そもそも、租税条約ってなに?という話ですが、これは、二重課税を防ぐための二国間条約です。

居住国と報酬発生国が違う場合、どちらか一方でのみ税金を払えばOKというのが原則。
基本的には、居住国で納税することになります。

2019年4月の時点では、71の国や地域との間で二重課税防止のための条約が交わされているそうです。

減税率は、その国との条約によって異なるのでチェックしてみてくださいね!

さて、この租税条約が適用されるためには、税務署に『非居住者』と認められなければなりません。

『非居住者』って、具体的な条件があるのでしょうか?

国税庁のサイトによると、租税条約においての非居住者の定義は次の通りです。

個人については、「恒久的住居」、「利害関係の中心的場所」、「常用の住居」そして「国籍」の順に考えて、どちらの国の「居住者」となるかを決めます。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2875.htm

なんだか難しい言葉が並んでいるので、私の解釈で言い換えてみると、

  • 日本に住民票がなくて海外在住
  • 生活の基盤が海外
  • 日本国内に会社や事務所を構えていない
  • 日本国内で実際に労働をしていない

という場合は、非居住者とみなされるようです。

とはいえ、最終的には管轄の税務署の判断次第。きっと例外もあるでしょう。

とりあえず申請してみて損はないと思いますよ。

手続きに必要な書類リスト

では、海外在住Webライターが、源泉徴収を軽減・免除されるために必要な書類について説明しますね。

クライアントに提出するべき書類は次の3つです。

必要書類

①租税条約に関する届出書x2通
②特典条項に関する付表x2通
③居住国の税務署が発行した居住証明書x1通

*私の場合は、届出書の名字と居住証明書の名字が異なるため、カッコ書きで別名併記されてあるパスポートのコピーを本人証明として添付しました。

では、必要書類をひとつずつ見ていきましょう!

①租税条約に関する届出書x2通

正副2通(正本は税務署、副本はクライアントが保管)準備します。
できれば、両面コピーしてくださいね。

肝心の記入フォームですが、これは報酬のタイプによってどれになるかが変わってきます。

Webライターの場合は、

様式3 書作権の使用料(ロイヤルティ)の支払い
租税条約に関する届出(使用料に対する所得税及び復興特別所得税の軽減・免除)[様式3]

もしくは、

様式6 作業に対する支払い
租税条約に関する届出(人的役務提供事業の対価に対する所得税及び復興特別所得税の免除)[様式6]
の、どちらになることがほとんど。

Webライターって、著作権とかないんじゃない?という感じですが、契約書に『著作権は〜』という文言があれば、様式3を指定されることが多いです。

ちなみに私の場合、

クライアントA – 様式3
クライアントB – はじめ様式3を指定されて送る。その後、税務署がやっぱり様式6がいいと言い出したために様式6に変更。

どちらも記名記事で、仕事内容は変わりません。
やはり、これも管轄の税務署の判断次第みたいですね。

ネットで調べると、様式7(芸能人・自由業)を提出しているフリーライターの方もけっこういましたが、問題なく受理されているようです。

(憶測ですが、免除・減税率が同じなら、様式はそこまで重要じゃないのかも?)

とりあえず、クライアント指定のフォームを送るのが一番です。クライアントがよくわからないときは、様式3と様式6の両方送って税務署で聞いてもらうのが効率的でしょう。

ちなみに、様式6と判断された場合、日本国内で実際に作業していなければ、本来は届けを出さなくても源泉徴収は不要なんだそうです。

ただ、届けを出しいないと、監査が入ったときに、『なぜ源泉徴収をしていないのか?』とクライアントが税務署に突っ込まれてしまう可能性があるのだとか。

まぁ、そうですよね。

租税条約関係のフォーム一覧はこちらです。

②特典条項に関する付表x2通

居住国によっては、特典条項に関する付表という書類を添付しなければなりません。
こちらの国税庁のサイトをチェックして、居住国のフォームがあれば提出しましょう。

名前は難しいですが、記入方法はびっくりするくらい簡単なので安心してくださいね。

こちらも両面コピーで、正副2通準備します。

③居住国の税務署発行の居住証明書x1通

②の特典条項に関する付表が必要な国は、居住国の税務署発行の居住証明書が必要です。
これは、大使館で発行してもらえる在留証明とは別物なので気をつけましょう。

(私、実際に却下されました…(T_T))

ちなみに、イギリスの場合はHMRC発行のCertificate of residenceがそれにあたります。
オンライン・郵送での請求が可能ですが、オンラインの方が早くて確実です。

請求する際に、クライアントの住所や収入(新規のクライアントならゼロでOK)などの情報が必要になります。

ちなみに、申請画面の最後の方で、租税条約の第何条?という感じの質問があるのですが、日英租税条約の場合は第4条(article 4)が正解です。

(↑私はここを間違えて申請したのですが、HMRCが気を利かせて訂正してくれていました!)

オンラインで請求して、1週間以内に届きましたよ!

ドイツでは『Doppelbesteuerungsabkommen Ansässigkeitsbescheinigung』
アメリカでは、『Form 6166』という書類が居住証明書にあたるそうです。

注意点
  • 届け出は、クライアントごとに提出
  • また、期限付きの契約の場合は契約の更新ごとに届け出が必用
  • 居住証明書は1年間有効

すでに源泉徴収された税金は還付請求

私のように、すでに源泉徴収されちゃってた!という方も、安心して下さい。
すでに支払った分の還付請求をすることができます。

租税条約の届け出の手続きの書類一式とあわせて、こちらのフォームを両面コピーして記入、正副2通送りましょう。手続きについてて、詳しくはこちら。
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私は、丸1年間分の税金が返ってきました!
請求が受理されてから、日本の銀行口座に振り込まれるまでは約1か月でした。

契約が3か月更新のクライアントだったので、届け出がかなりの枚数に…もう腱鞘炎になるかと思いましたが、苦労が報われましたよ〜!

租税条約に関する届出書の記入方法

租税条約に関する届出書の記入例を探してみたのですが、これが全然見つからりません。

日本の大学に講義に行く教授用とか、海外で年金を受給する人向けのはたくさんヒットしたのですが、海外在住のWebライターやフリーランス向けではなく…

悩んだ末、クライアントに聞いてみたところ、意外と簡単でした(^^;)

基本的に、条項とか、お給料うんぬんは空欄でOKで、わたしたちライターが記入しなければならないのは以下の欄だけなんだとか!

海外在住ライター本人が記入する欄

Form3:

  • 2 使用料の支払いを受ける者に関する事項
  • 裏面の日付と署名(必ず自筆)

Form6:

  • 2 対価の支払を受ける者に関する事項
  • 裏面の日付と署名(必ず自筆)

Form11:

  • 1の幹部の請求をする者(所得の支払を受ける者)に関する事項
  • 裏面の日付と署名(必ず自筆)

Form17:

  • 名前を記入
  • A欄(個人に該当のチェックをして、残りは非該当にチェック)

はい、これだけです。もう、早く聞いておけばよかったですよ〜!

どのフォームも最後の1〜2ページは『注意事項』になっているのですが、この注意事項のページはプリントアウトしなくてOKです。

参考までに、記入例を載せておきますね。

租税条約に関する届出書の記入例

Form3は、こんな感じで合計9箇所を記入しました。Form6も記入内容は同じです。

<1ページ目>

<2ページ目>

日本で作業をしていない海外在住の方は、⑥の『日本国内の恒久施設の状況』で、必ず『無(No)』をチェックしましょう。
あとは、⑦と⑧は必ず自筆で!コピー不可です。

まとめ

今回は、海外在住ライターの源泉徴収と租税条約について、私の経験をもとにまとめてみました。

すでに源泉徴収されている!という方は、クライアントに租税条約の手続きをしたい旨を伝えて、すぐに手続きをしてもらいましょう。

新しいクライアントと契約をするときには、はじめに源泉徴収の有無を確認しておくと、後の手続きがスムーズにいくのでおすすめですよ。

基本的な必要書類をおさらいすると…

  1. 租税条約に関する届出書x2通
  2. 特典条項に関する付表x2通
  3. 居住国の税務署が発行した居住証明書x1通
  4. すでに源泉徴収をされている場合は、還付請求書x2通

※Webライターが使用するフォームは、様式3か様式6(迷ったら両方送っちゃえ!)
※必要に応じて、パスポートなどの身分証明書のコピーを添付

まとめて見ると、けっこうシンプルじゃないですか?
居住証明書を請求するのがちょっと面倒といえば面倒ですが、20.42% は大きいですよ!

フリーランスの税金がお得になる情報は意外と多いので、お住いの国の税務署のウエブサイトなどにも目を通してみてくださいね!

日本円の収入をお得に海外送金する方法を探している海外在住フリーランスの方には、こちらの記事もおすすめです。

コメント

  1. 山下 より:

    とても有益な情報をありがとうございます!
    以前、自分で調べた時は「難しい!」と日本語で頭を抱え、英語でHRMCと手続きをするのはいやだ、と挫折しました。
    こんなにわかりやすくまとめていただけて感謝です。今年から早速手続きをしてみます。本当にありがとうございます。

    • Misiak(みしゃく) Misiak(みしゃく) より:

      記事を読んでいただき、ありがとうございます!
      税金関係って、本当にややこしいですよね…。少しでもお役に立てたなら光栄です。